半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
季節外れの転校生
あの後、私が使えることになった彼は“玖夜”と名乗り、この神社に祀られている半妖の神様だと説明してもらった。
出会った時の説明では把握出来なかったけど、私は使用人ではなく神の使いになったみたいだ。
“神巫女”と言うぐらいだからすぐに気付いてもいいはずなのに、色んな事に驚いて状況を把握する事で精一杯だった私には無理な話。
ドタバタ続きで始まった私の神巫女としての生活。
とは言っても、やらなきゃいけないことはほとんどない。
生活をするための家事は、この神社に使えている精霊がやってくれているみたいだ。
境内の掃除も、元々1人でやっていた玖夜様が終わらせてしまう事が多くて手持ち無沙汰になってしまっている状態が続いていた。
しかも、玖夜様が“学生は学業に集中するべき”と言って聞かず、居候をさせてくれるだけに留まらずに学校にまで通わせてくれるようだ。
さすがに何もしないまま学校に通わせてもらうのは申し訳ないと思ったけど、せっかくの気遣いを無下にするわけにもいかず、転校してすぐに休み続けていた学校に通うようになった。
復学してからしばらく経ったものの、1から関係を築くというのは人並み程度のコミュニケーション能力しか持たない私には、かなりの難題。
教室で1人、ポツンと過ごすことしか出来なかった。
「はぁ〜・・・」
1人で過ごす事には慣れているけど、やっぱり友達がいないというのは少し寂しいものだ。
机に突っ伏しながら深いため息をつく。
当たり前と言えばそうなんだけど、このクラスではもう既にグループが出来てしまっている。
そんな中にグイグイ入っていける程、私の肝は据わってない。
1人で過ごしていると先生が入ってきてホームルームが始まる。
「今日は転校生がいる。お前らー、仲良くしてやれよー」
先生の口から告げられたのは、“転校生が来る”というもの。
他の皆は興味が無いのかスルーしたり聞き流していた。
そんな中教室に入ってきたのは、高身長の麗人。
端正な顔立ちで、肩につくぐらいの透き通った白色の髪をなびかせて教壇に立つ。
キリッとしたつり目の目元、凛とした姿、スラリと伸びた脚・・・高嶺の花というのは、この子みたいな事を言うのだろうか。
興味がなさそうだったクラスメイトも、彼女の姿を見てどよめきが起こるのも無理は無い。
「加賀利 琥珀さんだ。仲良くしてやれー」
「加賀利 琥珀です。よろしくお願いします」
低めの声であいさつをした彼女は、礼儀正しくペコリと頭を下げる。
その言葉に、教室内はざわめきで溢れた。
出会った時の説明では把握出来なかったけど、私は使用人ではなく神の使いになったみたいだ。
“神巫女”と言うぐらいだからすぐに気付いてもいいはずなのに、色んな事に驚いて状況を把握する事で精一杯だった私には無理な話。
ドタバタ続きで始まった私の神巫女としての生活。
とは言っても、やらなきゃいけないことはほとんどない。
生活をするための家事は、この神社に使えている精霊がやってくれているみたいだ。
境内の掃除も、元々1人でやっていた玖夜様が終わらせてしまう事が多くて手持ち無沙汰になってしまっている状態が続いていた。
しかも、玖夜様が“学生は学業に集中するべき”と言って聞かず、居候をさせてくれるだけに留まらずに学校にまで通わせてくれるようだ。
さすがに何もしないまま学校に通わせてもらうのは申し訳ないと思ったけど、せっかくの気遣いを無下にするわけにもいかず、転校してすぐに休み続けていた学校に通うようになった。
復学してからしばらく経ったものの、1から関係を築くというのは人並み程度のコミュニケーション能力しか持たない私には、かなりの難題。
教室で1人、ポツンと過ごすことしか出来なかった。
「はぁ〜・・・」
1人で過ごす事には慣れているけど、やっぱり友達がいないというのは少し寂しいものだ。
机に突っ伏しながら深いため息をつく。
当たり前と言えばそうなんだけど、このクラスではもう既にグループが出来てしまっている。
そんな中にグイグイ入っていける程、私の肝は据わってない。
1人で過ごしていると先生が入ってきてホームルームが始まる。
「今日は転校生がいる。お前らー、仲良くしてやれよー」
先生の口から告げられたのは、“転校生が来る”というもの。
他の皆は興味が無いのかスルーしたり聞き流していた。
そんな中教室に入ってきたのは、高身長の麗人。
端正な顔立ちで、肩につくぐらいの透き通った白色の髪をなびかせて教壇に立つ。
キリッとしたつり目の目元、凛とした姿、スラリと伸びた脚・・・高嶺の花というのは、この子みたいな事を言うのだろうか。
興味がなさそうだったクラスメイトも、彼女の姿を見てどよめきが起こるのも無理は無い。
「加賀利 琥珀さんだ。仲良くしてやれー」
「加賀利 琥珀です。よろしくお願いします」
低めの声であいさつをした彼女は、礼儀正しくペコリと頭を下げる。
その言葉に、教室内はざわめきで溢れた。