半妖の九尾の狐は神巫女を独占中
「加賀利は宇佐美の隣だ。宇佐美、手を上げてくれ」
絶世の美女と言っても過言ではない彼女に男子が色めき立つ中、私の隣になった。
私は突然の状況に戸惑いながらも、返事をして手を上げる。
すると、“加賀利”と名乗った子は私の隣にある空席の机に向かって歩き出す。
男子の視線を独り占めにしている中、加賀利さんは私の隣に座った。
「よろしくね」
「あ、うん!!よろしく!!」
女の子としては低めの声で優しく声をかけてくる加賀利さんに対して、笑顔で答える。
それを見て、彼女は優しく微笑みかけてくれた。
凛とした表情のイメージが強かったから、やわらかい表情を見た時、女の私ですら見惚れてしまう。
中性的な顔立ちをしているせいか、少しだけ初恋の人に似ているような気がして変に緊張してしまっていた。
上の空の状態で先生の話が終わり、授業の準備をする休み時間が訪れる。
先生が教室を出ていった瞬間から加賀利さんの周囲に男子が集まって来た。
隣にいる私の周辺にも男子が来ていて、その場を離れたくても離れられない状態になってしまう。
「ねぇねぇ!!琥珀ちゃんって彼氏いるの!?」
「好きな人はいる!?」
「どんな人がタイプ?」
グイグイと質問攻めをする男子達。
そんな状態でも戸惑うこともせず、周りに集まった男子を冷たく見据えた加賀利さん。
そして、閉ざしていた口をゆっくり開いた。
「私はあなた達みたいなミーハーみたいに人の迷惑を考えずに集まってきて隣にいる子を困らせたり、踏み込んだ質問をしてこない人が好きね」
凛とした姿と怒りを含んだような声でキッパリと言い切る加賀利さん。
その言葉に衝撃を受けた男子達はそさくさとその場から立ち去った。
「・・・ごめんなさいね、騒がしくしちゃって」
「あっ、ううん!気にしないで!」
周りから人が居なくなってから、一呼吸おいて私の方に視線を向けてくる加賀利さん。
申し訳なさそうにしている彼女に両手を前に出して平気だと伝える。
それにしても、手慣れた感じであしらっちゃうんだな。
「そう言ってくれると助かるわ。以前は男子に囲まれる私が疎ましいのか、女の子達は私を目の仇にするようになってたから。あなたみたいな子がいて良かった」
さっきまで男子に向けていた冷たい視線ではなく、優しい視線に変わる加賀利さん。
もしかすると、加賀利さんは加賀利さんなりに苦労してきたから男子に対してあんな態度を取っているのかもしれない。
「加賀利さんも大変なんだね」
「琥珀でいいわよ。私もあなたの事も名前で呼びたいんだけど、なんて言うの?」
「宇佐美 悠乃だよ」
「そう・・・悠乃って言うの。わかったわ、よろしくね、悠乃。・・・これから、ずっと・・・」
私が名乗ると加賀利さん改め琥珀ちゃんは一瞬だけ妖しい笑みを浮かべて呟いた。
これからずっと・・・という言葉に裏があるような気がする。
だけどそれがなにかはわからなかった。
「・・・そうだ、次の授業で教科書見せてくれない?まだ教材揃ってないのよ」
「私ので良ければいいよ。机くっつけて見よ」
一瞬だけ見せた妖しい笑顔からすぐにやわらかい表情に変わる琥珀ちゃん。
そんな彼女を少し不思議に思いながらも、机をくっつけて私の教科書を一緒に見ながら授業を受けた。
絶世の美女と言っても過言ではない彼女に男子が色めき立つ中、私の隣になった。
私は突然の状況に戸惑いながらも、返事をして手を上げる。
すると、“加賀利”と名乗った子は私の隣にある空席の机に向かって歩き出す。
男子の視線を独り占めにしている中、加賀利さんは私の隣に座った。
「よろしくね」
「あ、うん!!よろしく!!」
女の子としては低めの声で優しく声をかけてくる加賀利さんに対して、笑顔で答える。
それを見て、彼女は優しく微笑みかけてくれた。
凛とした表情のイメージが強かったから、やわらかい表情を見た時、女の私ですら見惚れてしまう。
中性的な顔立ちをしているせいか、少しだけ初恋の人に似ているような気がして変に緊張してしまっていた。
上の空の状態で先生の話が終わり、授業の準備をする休み時間が訪れる。
先生が教室を出ていった瞬間から加賀利さんの周囲に男子が集まって来た。
隣にいる私の周辺にも男子が来ていて、その場を離れたくても離れられない状態になってしまう。
「ねぇねぇ!!琥珀ちゃんって彼氏いるの!?」
「好きな人はいる!?」
「どんな人がタイプ?」
グイグイと質問攻めをする男子達。
そんな状態でも戸惑うこともせず、周りに集まった男子を冷たく見据えた加賀利さん。
そして、閉ざしていた口をゆっくり開いた。
「私はあなた達みたいなミーハーみたいに人の迷惑を考えずに集まってきて隣にいる子を困らせたり、踏み込んだ質問をしてこない人が好きね」
凛とした姿と怒りを含んだような声でキッパリと言い切る加賀利さん。
その言葉に衝撃を受けた男子達はそさくさとその場から立ち去った。
「・・・ごめんなさいね、騒がしくしちゃって」
「あっ、ううん!気にしないで!」
周りから人が居なくなってから、一呼吸おいて私の方に視線を向けてくる加賀利さん。
申し訳なさそうにしている彼女に両手を前に出して平気だと伝える。
それにしても、手慣れた感じであしらっちゃうんだな。
「そう言ってくれると助かるわ。以前は男子に囲まれる私が疎ましいのか、女の子達は私を目の仇にするようになってたから。あなたみたいな子がいて良かった」
さっきまで男子に向けていた冷たい視線ではなく、優しい視線に変わる加賀利さん。
もしかすると、加賀利さんは加賀利さんなりに苦労してきたから男子に対してあんな態度を取っているのかもしれない。
「加賀利さんも大変なんだね」
「琥珀でいいわよ。私もあなたの事も名前で呼びたいんだけど、なんて言うの?」
「宇佐美 悠乃だよ」
「そう・・・悠乃って言うの。わかったわ、よろしくね、悠乃。・・・これから、ずっと・・・」
私が名乗ると加賀利さん改め琥珀ちゃんは一瞬だけ妖しい笑みを浮かべて呟いた。
これからずっと・・・という言葉に裏があるような気がする。
だけどそれがなにかはわからなかった。
「・・・そうだ、次の授業で教科書見せてくれない?まだ教材揃ってないのよ」
「私ので良ければいいよ。机くっつけて見よ」
一瞬だけ見せた妖しい笑顔からすぐにやわらかい表情に変わる琥珀ちゃん。
そんな彼女を少し不思議に思いながらも、机をくっつけて私の教科書を一緒に見ながら授業を受けた。