そのお悩み、私たちの能力で解決します!

 俺は自身がとった行動に、少なからず驚いていた。

 なにをしているんだ?俺は。どうしてあんなことをした?

 自分でもよくわからない。
 ただ、桜彩が五月の話ばかりするものだから、なんだかそれが嫌で思わず話を打ち切ってしまったのだ。

 五月は俺にとっても友人だ。
 明るくて少し直情的すぎるところはあるが、まったく悪いやつではない。

 それなのに。

 桜彩の口から五月の名前ばかりが出るのが、嫌だった。

 この前まで幼なじみである俺とばかり一緒にいた桜彩が、お悩み解決部に入って、五月や北條と仲良くなった。
 それ自体はすごくいいことだと思う。

 それなのに俺は、そのことが少し、……寂しい、のか?

 自分でも自分の感情がよくわからなかった。
 どうしてこんな気持ちになるのか。考えるのはやめようと思った。
 この感情に名前をつけてしまったらいけない気がした。

 ふと桜彩が顔を上げて、俺とばっちり目が合う。

 すると彼女は、いつものように明るくにこりと笑うのだ。


 今だけは、俺と桜彩、ふたりだけの時間でいい。


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