売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「……あの、私……クライブの真似をしただけなの。あなたがしてくれたことを……」

けれど彼は優しく首を振った。

「分かってるよ。真似でも、心がこもってた。おかげで俺は、十分すぎるほど満たされた。」

その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がふわっとほどける。

ああ、よかった……私、今夜もクライブの役に立てた。

彼に愛される喜びと、愛を返せたという確かな実感。

私はそっと目を閉じ、彼の胸に顔を埋めた。

もうこの場所が、私の居場所だった。
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