売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
「……クラディア。君が……君が俺を求めてくれるなんて……」

かすれた声で囁かれた言葉に、胸がきゅっと締めつけられる。

「ずっと……俺だけが君を求めてるのかと思ってた。こんなふうに……」

私はそっと彼の頬を撫でた。

私はそっとクライブの頬を撫でた。

「私……クライブを上手に愛せた?」

問いかけた声は、どこか心許なくて。

けれどクライブは、ふわりと微笑んでくれた。

「君が俺を愛せていない日なんて、一度もなかったよ。」

そう言って、彼は私をその腕に抱き寄せる。

肌に伝わる鼓動が、ぬくもりと安心を運んでくれる。

「いつも思うんだ。俺は君の愛に包まれているって。」

私の胸がじんわりと熱くなる。

こんなふうに言ってもらえるなんて、夢みたいだった。

「参ったよ。俺が教える前から、君はもう愛し方を知っていた。」

その言葉に、私は少しだけ焦る。
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