売られた令嬢、冷たい旦那様に溺愛されてます
その言葉が、胸の奥を暖かく撫でていく。

「この二番目の薔薇が完成したら、三番目はどこにしようか。」

「……え?」

「真ん中じゃなくて、少し左に寄せてみたらどうだ?」

私が目を丸くすると、彼は照れたように目を伏せる。

「……なんとなく、家族が並んでいるように見える気がして。」

私は胸を押さえた。そんな言葉を言われるなんて、思ってもいなかった。

このベッドカバーは、私だけの想いじゃなかった。

クライブの中にも、確かに「これから」が芽吹いているのだ。

翌日。
クライブの友人だという、セドリック・ノーサンクロフト公爵が屋敷を訪れた。

応接間に通された私たちの前に現れたのは、洗練された黒の礼服に身を包んだ貴族だった。

端正な顔立ちと鋭い目線。

話し方や立ち居振る舞いは優雅そのものだが、その奥に冷たい計算を感じさせた。

「クラディアです。お見知りおきを。」

私が会釈しながら名乗ると、セドリック公爵の目が、ふと細くなった。

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