年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
「副社長、あっ、間違えた、工藤さん、どこまで一人で出来ますか?」
「工藤さんもなぁ、皇平くんとか呼んで欲しいけどな」
「だめだよ、絶対仕事中に呼んじゃうから」
「マルチタスクできる千羽弥さんは大丈夫だよ、それに演技も出来るじゃん」
「でも…」
「家では誰も聞いてないんだから大丈夫だよ、ちーちゃん!」
「それは勘弁して」
「じゃあ皇平くんで」
副社長は上着を脱ぎ始めた。
「バスタオル、ここに置いておくね、手が必要なら呼んで」
「はーい」
千羽弥はゲージからミルクを出した。
「皇平くんねぇ……初めて会った時は私が20歳で皇平くんが中学生だったから確か皇平くんて呼んだ気がする」
ミルクを撫でながらブラッシングを軽くしているとお風呂場から呼ばれた。
「ミルク、ちょっと待っててね」
千羽弥は開けるよと声をかけてドアを開けた。
上半身裸でトランクスだけの皇平くんがいた。
「ドライヤーある?」
「あっ、リビングにあるの、ここ暑くていつもリビングで使ってる」
「あー、わかった、じゃあリビングに行く、ヨイショ」
松葉杖をつきながら2人はリビングに戻った。
「ふぅ、エアコンが気持ちいい〜」