年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。
病院で皇平くんを泊まらせる事を社長に報告した時
『皇平はデカイ図体だけど寂しがり屋なんだよ、それとおばあちゃんっ子でね、そのおばあちゃんが術後に亡くなったのもあって手術が怖いのかもしれない』
まあ誰でも怖いけど昨日も少し過呼吸気味だったしとりあえず乗りかかった船だ。
回復した時にはお寿司を奢って貰おうと千羽弥は覚悟を決めた。
次々と洋服をカゴに入れていく。
皇平くんを外で待たせて千羽弥はレジに並んだ。
人混みは危ないから外に出ててと千羽弥が言ったのだ。
レジで順番待ちをしていると皇平くんが誰かと話している所が見えた。
皇平くんと同じくらいの年齢の男性とこの前病院に付き添ってくれた確か橘さん。
皇平くんは楽しそうに笑っている。
会計を終えて店を出ると千羽弥は橘さんにお礼を言った。
「あれ?皇平ってお姉さんいたっけ?」
「いや、妹がいるけど今さ、母さんが海外にいてさ会社の人に色々入院の準備をしてもらってるんだ」
「お世話になります」
千羽弥は頭を下げた。
「あっ、大変ですね」
千羽弥は皇平から1歩下がって待っていた。
「翔太郎(しょうたろう)は服を買いに来たのか?」
「あぁ、今日泊まるって言うからかほりの着替えとか、なっ」
橘さんは恥ずかしそうに言わないでよと隣の翔太郎と呼ばれた男性を軽く叩いた。