年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。

「お待たせしました」

1階で待っていた副社長に声をかける。

「腹減った〜、行こ!」

「はい!」


千羽弥は大のお寿司好きだ。

それも副社長は知っていて、大抵お寿司屋さんに行く事が多い。

副社長の行きつけのお寿司屋さんが本当に美味しくて…

その店に行くから断れなくなっちゃうのだ。

そもそも副社長も外出している事が多くて、事務所に戻ってくるのは夜がほとんどだが空き時間とかに事務所に顔を出すことも最近は増えたような気がする。

副社長は子役デビューしていて所属タレントとしてASSHにも宣材写真は載せてはいるが、大学を卒業してからは仕事は主に副社長の方に重点を置いている。

社長が役者として忙しいからだ。

劇団ASSHの方はほとんど社長が昔から手がけている。

副社長は今は役者よりマネージャーとして現場に顔を出している方が多いのだ。


店に入ると個室に通された。

「好きなもの食べてね、千羽弥さん」

「はい、もちろん(笑)」

「本当にお寿司って言うと態度が違うんだから(笑)」

「だって、大好物ですから(笑)」

「僕だったら毎日でも連れてってあげるよ」

「いや、毎日はいいんですよ、たまにだからより美味しいんです」

千羽弥は日替わりを頼んだ。

「ん〜、美味しい」

大きな穴子を頬張っていた。

「ほんといい顔するよね、そんなに可愛い顔するといっぱい食べさせたくなる」
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