年下上司に懐かれましたがその人には好きな人がいて…そんなあなたの気持ちが知りたいです。

「穴子だけ追加していいですか?」

千羽弥は聞いた。

「いいよ、たくさん食べて、これからまた忙しくなるからな」

「ふぁい」

口を手にあてて返事をした。

そう、今は8月終わりで来年度の養成所の募集が9月から始まるのだ。

声優の専門学校と違って、ASSHの募集は秋にしている。

レッスンは週1回の2時間で、もちろんベテラン声優さんが講師契約をしている。

千羽弥はこれから1ヶ月の募集期間中は忙しくなる時期だ。

「そうだ、前に話した件は考えてくれた?」

「あ〜、でも副社長のチームは若いんですよね、私みたいな年齢はいないでしょ?」

「そんなことはないよ」


実は副社長から男女混合のバレーボールチームに千羽弥は誘われているのだ。

副社長は大学時代に仕事をセーブしてバレーボールサークルも入っていた。

たまたま副社長と話した時にオリンピックのバレーボールの話題になり千羽弥も高校までバレー部だったことを話したのだ。

いまは男女混合のバレーボールの大会もあるそうで、副社長にお誘いを受けているという訳だ。

「レクバレーくらいがちょうどいいかもです」

「それはまた別だよ、人が欲しいんだよ、考えて欲しいな」

「はっ、まさかこのお寿司は入ってもらうための?」

「アハハッ、それはない(笑)好きなもの食べて」

「じゃあ、あと2貫頼んでいいですか?」

「いいよ(笑)」

千羽弥は遠慮なく追加で穴子とエンガワを頼んだ。
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