喜びをあなたと一緒に
４階から順に回ることにした。
４階は水彩画の展示がされている。
近くに寄って、じっくりと観た。

風景や人物像など、様々な作品が展示されている。
水彩を使った、繊細かつ複雑で透明感のある作品に、胸がジーンとした。
ゆっくりと目を閉じて、自分の心の動きを味わい、余韻に浸る。
それ程に、素晴らしい作品だった。

目を閉じたまま、想像してみた。水彩画を描く自分を。
想像の中の私は、川沿いの桜並木を描こうとしていた。
桜から少し離れた位置にイーゼルを置き、色を重ねながら少しずつ丁寧に描いていく。

うーん。水彩画を描いている自分は想像できるが、どこかピンとこない。
水彩画は素晴らしい。
素晴らしいが、私のやりたいことかと問うと、そうじゃない気がした。
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