喜びをあなたと一緒に
「もしかして、泊まるところを探してる?」
「…はい。あ、でも気にしないでください。漫画喫茶とかカラオケとか24時間あいているところで、明日の朝まで過ごそうと思います。申し訳ないんですけど、コンビニまで一緒に行ってくれませんか?傘、買いたくて。」
夜行バスでの移動だったから、疲れが溜まっているし、本当はベッドで寝たい。
しかし、満室だったのだからしょうがない。
親切な人のおかげで濡れなくて済むのだから、それだけでも幸運だったと思おう。
「そんなところで1人でいたら危ないよ。それに、休めないでしょ。ちょっと待ってて、知り合いが働いているホテルの部屋が空いていないか、電話して聞いてみるから。」
「そんなっ。悪いです。それに、そこまでしてもらう理由ないです。」
「理由かあ。理由なんているのかな。まあ、強いて言えば、気になるからかな。」
そう言うと、彼はスマホを取り出し、操作を始めた。
胸がドキドキしているのを感じる。
気になるといっても、出会ったばかりだし、恋愛的な意味じゃないだろう。
うぬぼれなのは分かっている。
だが、旅先で出会った男の人との再会。
夜の美術館の前に2人きりで、聞こえてくるのは雨音だけ。
そんな、非日常的なシチュエーションが思考をロマンティックにさせた。
彼が電話をかけている間、なんだかソワソワして前髪を手で直したり彼の方を見たりと落ち着かなかった。
「ちょっと前にキャンセルが入って、一部屋空いてるって。ここから15分ぐらい歩くんだけど、どうかな?」
そうこうしている間に、彼は通話を終えていた。
私は、彼の知り合いが働いているというホテルに泊まることにした。
「…はい。あ、でも気にしないでください。漫画喫茶とかカラオケとか24時間あいているところで、明日の朝まで過ごそうと思います。申し訳ないんですけど、コンビニまで一緒に行ってくれませんか?傘、買いたくて。」
夜行バスでの移動だったから、疲れが溜まっているし、本当はベッドで寝たい。
しかし、満室だったのだからしょうがない。
親切な人のおかげで濡れなくて済むのだから、それだけでも幸運だったと思おう。
「そんなところで1人でいたら危ないよ。それに、休めないでしょ。ちょっと待ってて、知り合いが働いているホテルの部屋が空いていないか、電話して聞いてみるから。」
「そんなっ。悪いです。それに、そこまでしてもらう理由ないです。」
「理由かあ。理由なんているのかな。まあ、強いて言えば、気になるからかな。」
そう言うと、彼はスマホを取り出し、操作を始めた。
胸がドキドキしているのを感じる。
気になるといっても、出会ったばかりだし、恋愛的な意味じゃないだろう。
うぬぼれなのは分かっている。
だが、旅先で出会った男の人との再会。
夜の美術館の前に2人きりで、聞こえてくるのは雨音だけ。
そんな、非日常的なシチュエーションが思考をロマンティックにさせた。
彼が電話をかけている間、なんだかソワソワして前髪を手で直したり彼の方を見たりと落ち着かなかった。
「ちょっと前にキャンセルが入って、一部屋空いてるって。ここから15分ぐらい歩くんだけど、どうかな?」
そうこうしている間に、彼は通話を終えていた。
私は、彼の知り合いが働いているというホテルに泊まることにした。