結婚の決め手は焦げた玉子焼き!?黒豹御曹司は愛する秘書を逃がさない
「これが本文」
見せられた本文もまったく心当たりがないけれど、差出人は自分、そして相手はkokoa.ueno@mail……だ。
時間は今日の10時36分。
「……今日?」
「そう。今日だ。沙紀は寝ていたのに」
ずっと隣にいたから寝ていたのは間違いないと言う暁良の「ずっと隣にいた」の方が気になってしまった沙紀の顔は赤く染まった。
「沙紀のアカウントを使用して不正ログインしたのは経理部の上野心愛。上野に沙紀のパスワードを教えたのはIT部の八王子直哉だ。面識は?」
「いいえ、知らない人です」
誰? ITに知りないなんていないのに。
「目的は沙紀に嫌がらせすることだと思うが、理由はわからない。ただ、営業部の加賀大輝、経理部の上野心愛、IT部の八王子直哉の三人はグルだと思っている」
「どうして私に……? 上野さんが私から大輝を奪ったのだから、私が彼女に嫌がらせするならわかるけれど」
「例えば、加賀が沙紀とヨリを戻したいとして、仕事でミスをして落ち込んだ沙紀を慰めるために仕組んだとしたら?」
確かにタイミングよく駅の近くに大輝はいたけれど、もともと外回りだし偶然かもしれない。
「でもあの日、あの時間に帰らされるとは限らないのに」
「だから毎日外で待っていた」
「え? 毎日?」
さすがにそんなことはしないだろうと思っていた沙紀は、営業成績表を見せられ驚いた。
ずっと営業トップだった大輝の契約数は先月も今月もゼロ。
「……ゼロ?」
「取引先から、以前の資料の方が良かったから、そっちの資料に戻してほしいと営業部長に連絡があったそうだ」
以前の資料ってもしかして私が作っていた資料?
大輝の営業先の資料は私がほとんど作っていたけれど……まさかね。
「沙紀のおかげで営業トップだったことにようやく気付いたんだろうって、営業部の山崎加奈子が言っていたそうだ」
山﨑さんがそんなことを?
ずっとお世話になってきた山﨑さんにそう言ってもらえると、お世辞だとしてもなんだかうれしい。
「……それで、沙紀の意見が聞きたい」
暁良はコーヒーをゆっくり飲んだ後、大きく息を吐いた。
「もし、推測通りだったら、沙紀はどうしたい?」
「どうって……?」
「加賀とやり直すのか」
「そ、そんなのありえません!」
思いっきり否定したせいで、思ったよりも大きな声が出てしまった。
声の大きさに驚いたのか、普段彫刻のようにあまり表情を変えない暁良がキョトンとしている。
「あ、あの、仕事もできない私を結婚相手にするのを辞めたいって思われるのもわかります。もっと綺麗でふさわしい人はたくさんいるし。あ、でも今すぐ出ていけだと住むところがないので契約するまであの部屋を貸してほしくて、仕事も辞めろと言われるなら転職先を探しますし、それに私は暁良様が好きだから今さら大輝とやり直すことはなくて、それで、えっと……」
しどろもどろでもう何を言っているのかよくわからなくなってしまった沙紀は、ワタワタと慌てる。
暁良は椅子から立ち上がると、慌てている沙紀を後ろから抱きしめた。
「……俺のこと、好きなのか?」
見せられた本文もまったく心当たりがないけれど、差出人は自分、そして相手はkokoa.ueno@mail……だ。
時間は今日の10時36分。
「……今日?」
「そう。今日だ。沙紀は寝ていたのに」
ずっと隣にいたから寝ていたのは間違いないと言う暁良の「ずっと隣にいた」の方が気になってしまった沙紀の顔は赤く染まった。
「沙紀のアカウントを使用して不正ログインしたのは経理部の上野心愛。上野に沙紀のパスワードを教えたのはIT部の八王子直哉だ。面識は?」
「いいえ、知らない人です」
誰? ITに知りないなんていないのに。
「目的は沙紀に嫌がらせすることだと思うが、理由はわからない。ただ、営業部の加賀大輝、経理部の上野心愛、IT部の八王子直哉の三人はグルだと思っている」
「どうして私に……? 上野さんが私から大輝を奪ったのだから、私が彼女に嫌がらせするならわかるけれど」
「例えば、加賀が沙紀とヨリを戻したいとして、仕事でミスをして落ち込んだ沙紀を慰めるために仕組んだとしたら?」
確かにタイミングよく駅の近くに大輝はいたけれど、もともと外回りだし偶然かもしれない。
「でもあの日、あの時間に帰らされるとは限らないのに」
「だから毎日外で待っていた」
「え? 毎日?」
さすがにそんなことはしないだろうと思っていた沙紀は、営業成績表を見せられ驚いた。
ずっと営業トップだった大輝の契約数は先月も今月もゼロ。
「……ゼロ?」
「取引先から、以前の資料の方が良かったから、そっちの資料に戻してほしいと営業部長に連絡があったそうだ」
以前の資料ってもしかして私が作っていた資料?
大輝の営業先の資料は私がほとんど作っていたけれど……まさかね。
「沙紀のおかげで営業トップだったことにようやく気付いたんだろうって、営業部の山崎加奈子が言っていたそうだ」
山﨑さんがそんなことを?
ずっとお世話になってきた山﨑さんにそう言ってもらえると、お世辞だとしてもなんだかうれしい。
「……それで、沙紀の意見が聞きたい」
暁良はコーヒーをゆっくり飲んだ後、大きく息を吐いた。
「もし、推測通りだったら、沙紀はどうしたい?」
「どうって……?」
「加賀とやり直すのか」
「そ、そんなのありえません!」
思いっきり否定したせいで、思ったよりも大きな声が出てしまった。
声の大きさに驚いたのか、普段彫刻のようにあまり表情を変えない暁良がキョトンとしている。
「あ、あの、仕事もできない私を結婚相手にするのを辞めたいって思われるのもわかります。もっと綺麗でふさわしい人はたくさんいるし。あ、でも今すぐ出ていけだと住むところがないので契約するまであの部屋を貸してほしくて、仕事も辞めろと言われるなら転職先を探しますし、それに私は暁良様が好きだから今さら大輝とやり直すことはなくて、それで、えっと……」
しどろもどろでもう何を言っているのかよくわからなくなってしまった沙紀は、ワタワタと慌てる。
暁良は椅子から立ち上がると、慌てている沙紀を後ろから抱きしめた。
「……俺のこと、好きなのか?」