蒼銀の花嫁 〜捨てられ姫は神獣の番〜




 王宮の大広間。
 貴族や臣下たちが厳かな面持ちで見守るなか、国王より正式な承認が下された。


 「これにて、セレナ殿を我が王妃の正式な妃と認める」


 その声が響き渡り、広間は静まり返る。

 セレナは深く一礼し、誓いの言葉を胸に刻んだ。


 (これが私の、新しい旅立ち)


 背筋を伸ばし、堂々とした姿勢で彼女は歩み出る。

 アグレイスがそっと差し出した手を取り、彼女は未来へと踏み出した。


 式典の後、二人は静かな庭園でひとときを過ごす。


 「ここからは、ふたりで国を支え、歩んでいくんだね」


 セレナの声には強い決意が宿る。


 「どんな困難も、共に乗り越えよう」


 アグレイスは優しく微笑み、彼女の手をしっかりと握り返す。


 「あなたがいるから、私はもっと強くなれる」


 セレナの瞳には希望の光が満ちていた。




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