親友のキミと、あと1ミリの恋
「えー、いいじゃない。晴人と一緒なら、多少汗だくになったって、きっと楽しいし!」
そう言って、私は精一杯明るい笑顔を作ってみせた。そうでもしないと、本当の気持ちがこぼれ落ちてしまいそうだったから。
本当は毎日、親友じゃなくて恋人として、晴人の隣を歩きたいのに……。
そんな私の心の内を、当然彼は知るはずもなく。
「はは、そうだな!」
晴人は、屈託なく笑った。その笑顔に、私の胸がまたドキッと跳ね上がる。
「……ん? おい、美波。お前、前髪が乱れてるぞ」
「え?」
不意に、晴人の手が私の額に伸びてくる。
彼の指先が、まるで壊れ物を扱うかのようにそっと前髪を梳く。
一瞬だけ触れた指先から、じんわりと熱が伝わってきた。たったそれだけなのに、私の心臓はドクドクと大きく脈打つ。
「……っ!」
そのわずかな感触に、私の頬がぶわっと熱くなった。
「どうした? 美波、顔赤いぞ。もしかして熱でもあるのか?」
晴人はそんな私の様子には気づかないまま、今度は心配そうに額に触れようと手を伸ばしてくる。