そんな夢ならもう一度会いたい

5.)

「やっぱこの階段だよね…」

屋上へと続く階段、ここを下りるのをミスってこんなことに…なったと思うたぶん。
私が見た階段よりキレイだけどそこまで変わりはなくて、唯一違うところといえば…

「あ、鍵がかかってる」

あっちではしてなかったから、というか壊れてたから誰でも入れるようになってた。

でも一応立ち入り禁止にはなってた。

この時代は鍵が付いてたんだ。

くるっと振り返って階段の方を見る、10段以上ある階段はそれなりに高い。


ここから落ちたら、元の世界に戻れるのかな…?

もう一度ここから落ちたら…


いや、怖い!ここから見ちゃったら怖い!!

不注意で落ちるのと自ら落ちるのでは全然違う!
あと布団なんてなかったから雑魚寝のせいで体がすでに痛いんだもん!


あーっと頭を抱えた時、カタッと足音が聞こえた。
私以外に誰か屋上に向かってくる人影が…

「あ、門倉せ…っ!」

「…。」

うん、なんかもうめんどくさい門倉でいいか。こっちの世界は同い年なんだし、いいよね。

「門倉何してるの?こんなとこで…」

なんて問いかけも相変わらずの無視でスタスタと階段を上がったかと思えば、スッと私の横を通り過ぎてドアノブに手をかけた。
ズボンのポケットから取り出した鍵でガチャッと…


え、待って鍵!!?

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