そんな夢ならもう一度会いたい

9.)

ズキズキと痛む頭の中で呼ぶ声が聞こえる。ぼぉーっとする、頭が重くて動けない動きたくない。



だけど何度も私の名前を呼んでる気がしてー…



「高須…!」


ふわーっと意識が、蘇って来る…


「高須!大丈夫か!?」

「……。」

「痛いとこないか?あ、急に動くな!!」

「…?」

ここは…保健室っぽいな?
たぶん学校の保健室だ、保健室のベッドに横になってると思う。

でもなんで保健室…
私スーパーにいたよね、そんでスーパーを飛び出して実咲と…


実咲?


「実咲っ!!?」


がばぁっと勢いよく起き上がった、そのせいでズキッと頭が痛んだ。

「…っ」

「急に動くなって言っただろ高須!」

いや、言われたけど。
言われたけど、だって実咲が…


「門倉先生…!?」


パッと目を開けたら目が合った。イスから立ち上がって身を乗り出した門倉先生と目が合った。


実咲じゃない!門倉先生だ!



じゃあ17歳の門倉先生は…!?



「高須っ、俺のことわかるんだな!?俺が門倉実咲だってことわかるんだな!?」

「え…あ、はい。…一応副担なんで」

すっごいぐっちゃぐちゃな顔で私を見てるんだけど。


え、何?どーゆう状況?

これって…


「記憶…、あるんだな!?」


…っ!


そうだ、私階段から落ちたんだ。
屋上の階段からと、それと…

「…門倉先生」

「なんだ?どこか痛むか!?」


あれは夢だったのー…?


「門倉先生は高校生の頃1人暮らししてました?」
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