どこか…
慌てて涙を拭いて、平静を装った。
そして、その男の子は口を開いた。
「なんで泣いてんの?」
私は「泣いてないよ。」といつも通りの笑顔をつくってみせた。
そうしたら、その男の子は「そんなに強がってたら疲れるよ?」と小さく笑った。

私は顔がカァーッと赤くなり、恥ずかしいを通り越して、こいつに何が分かるんだ!?と憤慨した。

そして、私が黙り込んでいるとその男の子は「俺の名前は千秋。斎藤千秋っていうんだ。隣のベッドだしよろしくな!!」と、きれいな顔に似合わない白い歯を見せた大きな笑いをして、去っていった。


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