旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
セルトの部屋での勝負
セルト様の部屋は無駄なものが一切置いていない部屋だった。

何も置いていないからこそ片付いているような部屋。

だからこそどこか寂しさを感じてしまう。

セルト様がメイドに紅茶を二つ入れさせて、メイドを退室させる。

セルト様の自室には正真正銘私とセルト様の二人しか存在していなかった。

私は紅茶を一口飲んでから、背筋を今一度伸ばして微笑んだ。


「セルト様、ある勝負をしませんか?」


セルト様が紅茶に向けていた顔をすぐにこちらに向ける。
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