旦那様に「君を愛する気はない」と言い放たれたので、「逃げるのですね?」と言い返したら甘い溺愛が始まりました。
それでも怒っているように表情を強張らせても、レシールは怯えもしなかった。

むしろ私に突っ込んでくような令嬢だった。


「目を合わせて、逃げずに、私と向き合って下さいませ。私は良好な夫婦生活を望んでいる。それだけですわ」


結婚して望むことがそれだけの妻を可愛くないと思う夫などいるのだろうか。

それが可愛いお願いだとも気づかずに、自慢げな顔で強気に話している令嬢を愛おしいと思って何が悪いのだろうか。

だから恥ずかしくてすぐにディナーに誘うことも出来なかったし、自室に招くことも緊張した。

それでもレシールは変わらずに私に向き合い続けてくれた。
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