私をフッた元上司と再会したら求愛された件
 そうして一時間が経った頃。

「寝ちゃいましたね、与田さん……」

 飲み会が始まってからずっと立て板に水のように話していた与田さんだったが、二杯目のビールを飲み干したあたりからうつらうつらし始めて、ついに机に突っ伏して寝てしまった。

「孝次郎は酒に弱いんだよ」

 戸川さんは頬杖を突きながら、すやすや眠る与田さんを見て仕方なさそうに笑った。

「あれ? でも戸川さん、与田さんに積極的にお酒勧めてましたよね?」

「そうだよ。でなきゃ園崎とゆっくり話せないから」

 私は飲もうと口付けたビールを吹き出しそうになった。

「えっ、待って。は、話って何ですか?」

「まあそれは追々」

「えぇー?」

 何だろう、めちゃくちゃ気になる。けど、戸川さんがトロンとした目でこちらを見つめてくるから、それ以上何かを考えるどころではなかった。フラれてから、戸川さんのことはキッパリ諦めた。なのに鼓動が鳴り止まない。
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