私をフッた元上司と再会したら求愛された件
「二週間くらい前の夜に、うちの会社の近くで油井さんと会っていましたよね? そこでおふたりがハグしていたのを見たんです……」
『二週間前……? ああ、そういえば……』
思ったより反応が薄い。油井さんと会ったことを今まで忘れていたような反応だ。
『確かに油井と会ったけど、旦那さん経由で優秀なITエンジニアを紹介してもらったから、そのお礼をしただけだよ』
「油井さんって結婚してるんですか?!」
まさかすぎて、頭がハテナで埋め尽くされる。
「えっ? でも、じゃあどうしてハグ……?」
『あー……それは油井からしつこく恋愛話を聞かれて、好きな子ができたって白状させられた時にかな……油井は帰国子女で普段はアメリカ本社にいるから、リアクションもアメリカナイズされてて……』
戸川さんは疲れたようにため息をついた。
『それで誤解させちゃったのか……本当にごめん』
戸川さんの声がくたびれている。肩を落としていそうなその声音に、私の体も脱力して、シンクの縁に手をついて大きく息を吐いた。
「良かった……」
「それ、どういう意味?」
思わず本音をこぼすと、間髪を入れずに戸川さんの声が聞こえてきた。
「言っておくけど、俺が好きなのは園崎だから」
いきなりの告白に、心の準備ができてなくて、しゃっくりの前兆のように横隔膜が変に震えた。
「えっと、あの、私……」
どうしよう、なんて答えよう。
あたふたしながらも、思い浮かべるのは戸川さんの顔。そうしたら無性に彼に会いたくなった。
「戸川さん、会いたいです。会いに行っても、良いですか……?」
「うん。俺も園崎に会いたい」
声はみっともないほど震えていたけれど、戸川さんの声は蕩けてしまいそうなくるい甘やかなものだった。
『二週間前……? ああ、そういえば……』
思ったより反応が薄い。油井さんと会ったことを今まで忘れていたような反応だ。
『確かに油井と会ったけど、旦那さん経由で優秀なITエンジニアを紹介してもらったから、そのお礼をしただけだよ』
「油井さんって結婚してるんですか?!」
まさかすぎて、頭がハテナで埋め尽くされる。
「えっ? でも、じゃあどうしてハグ……?」
『あー……それは油井からしつこく恋愛話を聞かれて、好きな子ができたって白状させられた時にかな……油井は帰国子女で普段はアメリカ本社にいるから、リアクションもアメリカナイズされてて……』
戸川さんは疲れたようにため息をついた。
『それで誤解させちゃったのか……本当にごめん』
戸川さんの声がくたびれている。肩を落としていそうなその声音に、私の体も脱力して、シンクの縁に手をついて大きく息を吐いた。
「良かった……」
「それ、どういう意味?」
思わず本音をこぼすと、間髪を入れずに戸川さんの声が聞こえてきた。
「言っておくけど、俺が好きなのは園崎だから」
いきなりの告白に、心の準備ができてなくて、しゃっくりの前兆のように横隔膜が変に震えた。
「えっと、あの、私……」
どうしよう、なんて答えよう。
あたふたしながらも、思い浮かべるのは戸川さんの顔。そうしたら無性に彼に会いたくなった。
「戸川さん、会いたいです。会いに行っても、良いですか……?」
「うん。俺も園崎に会いたい」
声はみっともないほど震えていたけれど、戸川さんの声は蕩けてしまいそうなくるい甘やかなものだった。