私をフッた元上司と再会したら求愛された件
「で、君たちは結局付き合ってるわけ?」

「げほっ」

 一条さんからいきなり爆弾を放り込まれ、さっき飲んだビールで盛大に咽せた。

「なっ……」

「そうですよ」

 何で知ってるんですか、と問う前に玲さんが肯定してしまう。与田さんが手で口を覆ってアワアワしているのが気まずい。

「あーあ、戸川くんに先を越されたかー。俺も頑張って口説いてたのになー」

 一条さんがダラリとテーブルに寝そべるようか格好でとんでもないことを言う。

「い、一条さん! 冗談言うのはやめてください!」

「冗談じゃないって」

「いやいや。だってそういうの他の子にも言ってますよね? 他の会社の秘書の子と付き合ってるの知ってますよ」

「んー、あの子とはちょっと前に別れたから」

 つまり他の女の子と付き合いながら私にも声をかけていたということで。本気じゃないのは明白だ。社内でも一条さんがチャラいのは周知の事実である。
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