婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「実は酔ってるんじゃないかなあと思って」
「酔ってない」
酔っている人はみんなそう言うのよね、と心の中でツッコミを入れつつも口には出さず、夜の裏通りを駅に向かって歩く。
もう少しすれば表通りで、地下鉄の入口がある。通りの向こうから溢れてくる明かりと喧騒に向かって足を進めていると。
「あんたこそ、今日は酔わないんだな」
聖澤さんがなぜか不満げに呟いた。私が酔っていても酔っていなくても文句を言うのか、この人は。
「前回の反省を活かしまして」
「モツ煮も頼まなかっただろ」
「だって、すでに大皿の牛すじがテーブルに来てましたし。ほかにも料理がたくさんありましたから」
「気を遣うなよ」
唐突に額をこつんと叩かれる。彼のむすっと膨れた頬を見て、あれ? 私、怒られている?と首を傾げる。
「そりゃあ私だって、気を遣うときは遣いますよ」
「俺には使わないのに?」
「う……だって美作マネージャーは上司ですし、安芸野さんも上の役職の方ですから、失礼をするわけには」
「上司……ね」