婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
呟くものの否定しきれない部分があるのか、あるいはそれに今気づいたのか、気まずそうに手を引っ込める。

「本当に未練とか、そういうんじゃないんだ。ただ俺が恋愛を面倒に思っているだけで」

それはきっと半分本当で半分嘘だ。面倒という言葉の裏側には、これ以上誰かを傷つけたくないという意志が込められているのだと思う。

「だからあんたも。俺のことで泣いたり落ち込んだりしないでくれ。あんたが悲しい顔してると……俺がしんどい」

その言葉が彼の優しさと繊細さを裏付けている。冷たい言葉ばかりなのに、その内側はとても暖かい。

探るように彼を見つめ、目を合わせたまま数秒が経過する。

パチリと瞬きをすると、目もとに溜まっていた涙が弾けとんだ。彼が驚いたように目を大きくする。

「……睫毛、長いな」

ふと彼が呟いて、私の頬に手を伸ばす。

濡れた下睫毛が目もとに張りついていたのだろうか。彼は拭うみたいに親指を目の下に沿わせる。

そのまま彼の手のひらが私の頬に吸いついた。指先が首筋をしっかりと支える。

……え?

こちらをじっと見つめてくる彼。甘い雰囲気を感じ取り、反射的に呼吸を止めて身を固くする。

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