婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「ええ、彼はここに勤めて三年になりますが、和食の調理には長く携わっているので経験が豊富なんです。板長と脇板がお客様に提供する料理を担っているんですよ」

なるほどと私は首を大きく上下させて頷く。

料理を運び終えた仲居さんが「ごゆっくり」と退席する。

視察等で食事をいただく機会も多く、料理が出たらまず撮影するのが癖になっている私は、すぐさまスマホを構えて料理を撮影した。

聖澤さんはその正面に座って、訝しげな顔で腕を組む。

「板長が不在だとしても、脇板にここまで料理の腕があるならクレームなんて上がらないはずだが」

「そうですね……」

なぜあんなクレームが上がってきてしまったのか。やはり詳しい事情については女将さんから伺うしかなさそうだ。

それはそうと早く食べたいなと思ったところで、お腹が正直にぐう~と音を立てた。

「あんたは腹まで素直なんだな」

「……なんにしろ、まずは食べません?」

「そうだな。せっかくのご厚意だ」

海鮮丼をひと口食べて、新鮮な魚介のぷりぷりした食感に「おいしい~!」と声をあげる。

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