婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
天ぷらの方もさくさくしていて最高だ。具材は地元のお野菜だろうか。抹茶塩をつけると素材の味がより瑞々しく感じられて、さらにおいしい。

「あ~、最高ですね」

「さっきまでの沈鬱な顔はどこ行ったんだ?」

「おいしいは正義なので」

聖澤さんがくくっと含み笑いをする。久しぶりに彼の笑った顔を見た気がして、ホッとした。

……先日は距離を置かれてしまったから、どんな顔をしようかとずっと悩んでいたけれど、ようやくいつも通りでいいのだという自信が湧いてきた。

安芸野さんの話も忘れたわけじゃない。聖澤さんは彼女との過去をまだ引きずっているようで、恋愛はしないと明言していた。私がどれだけ彼に想いを募らせたところで、報われる可能性はゼロに近い。

でも今はお互い仕事のことで精一杯、それくらいがちょうどいいのだと思う。同僚である彼に深くを求めるのはやめよう。

お料理を完食し、お茶をいただいてひと息ついた頃。ようやく女将さんの手が空いたようで話をすることができた。

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