婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
その表情があまりにも穏やかで、心からの言葉だとわかった。

でも、だったらどうして天乃房で聖澤さんとふたりきりになったときに『あのまま世那くんと付き合っていたら』なんて言葉を漏らしたのだろう。

「安芸野さんも今は独身ですよね。聖澤さんと、その……寄りを戻そうとかは……」

そこまで言ったところで、彼女は「今さら彼と? ないない!」と大きな声をあげて笑った。

「私たちは理想的な関係じゃなかったから別れたの。本当に想い合っていたら、別れようなんて話にならなかったと思うわ」

揺るぎない言葉を半信半疑のまま受け取る。

彼女は私を諭すように、目もとを緩めてひと言ひと言丁寧に紡いだ。

「彼は私みたいなワガママな女の尻に敷かれて一生を終えるようなタイプの男じゃないのよ。彼自身そう感じていたから、私からのプロポーズを断ったんだと思う。きっと私と一緒にいたって未来のビジョンが見えなかったんでしょうね」

「安芸野さんは見えていたんですか?」

「私は未来は目指すものじゃなくて、作るものだと思ってるから。ダメならダメで軌道修正するだけ。現に子どもの父親とは離婚したけれど、後悔なんてしていない」

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