婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「お願いいたします。今度こそ最高のおもてなしをさせていただきます」

「ちょっ……やめてよ! 周りの人が見てる。私が悪者みたいじゃない!」

私は女将さんの腕を支え立ち上がらせながらも、どうしてもあきらめきれず、もう一度深々と頭を下げた。

「どうかもう一度だけ、信じていただけないでしょうか」

「っ、しつこい……!」

篠原様がうんざりとした声をあげる。だが根負けしたのか、苛立ちを滲ませながらも「わかったわよ」と投げやりに答えた。

「もう一度あんな手を抜いた食事を出したら、今度こそお金払わないから!」

渋々ながらも承諾してくれた篠原様に、私たちは「ありがとうございます!」と揃って頭を下げた。



それから二週間後の週末、篠原様とそのお友だちふたりが華村を訪れた。

女将さんは今度こそ最高級のおもてなしをしてみせると固く決意している。メインの懐石はもちろん、おやつの和スイーツや華やかな浴衣セットのレンタルもお詫びに勧めてみるそうだ。

状況が気になって仕方がなかった私は、その日に合わせて華村を訪れた。女将さんとともに篠原様御一行をお出迎えしたあと、空き部屋で待機する。

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