婚活!~絶対幸せになれる婚、探してます~
「世那……くん?」

「世那でいいよ」

「……世那」

彼がふっと頬を緩める。その嬉しそうな表情を見たら、これまで気にしていた彼の過去なんてどうでもいい、今があればいいと思えた。

「敬語、やめろよ」

「……うん」

こくりと頷くと、後頭部に手が回ってきて、私の顔を押し上げた。

桜の桃色を取り込んでキラキラする瞳が、私を真っ直ぐに見つめてくれる。

「っていうか、返事。聞いてない。付き合うの? 付き合わないの?」

「はっきりさせたいのは世那の方じゃない」

「俺、全般独占欲強いから。独占するし、独占されたい」

彼が大きな背を屈めて覗き込んでくる。唇を近づけて、キスしたい、キスさせてとねだるように。

「だから覚悟が決まるまで、言わないようにしてた。一度好きって言ったら、際限ないのがわかってたから」

そう言い訳して、私の唇の先をつついて次の言葉を促す。

「どうなんだ?」

「……好き。大好き。世那を独占したい」

その瞬間、桜に負けないくらい鮮やかな笑顔が花開くのを、私は見逃さなかった。

「俺でよければ、どーぞ」

喜びをおどけた言葉でごまかして、今度こそ私の唇にキスを落とす。

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