ゆいき姫

悲しい家族、哀れみの唄

姫が家に着く頃にはアイライナーやマスカラ、アイシャドウなどが崩れ、パンダよりも酷い状態になっていた。



そのため姫はすぐさま手を洗い、クレンジングオイルで化粧を落とした。


化粧は肌に良くないので、家に帰るとすぐに化粧を落とす。






姫は化粧をしていない自分の顔が嫌いだ。常に化粧をしていないと、誰からも愛されないし、見向きもされない。



それを、姫は恐れている。





化粧をしていない自分は愛されない。





愛されたい。





その純粋な思いが姫を狂わせた。










"ゆいき姫"。








それは、



姫が小学校の時、いじめられていた時にいじめっ子たちから嘲笑の意味を持ってつけられたあだ名。





顔は重たい一重瞼に、団子鼻。髭は生えていて、いじめられてから引きこもりになったため身体は太っており、風呂キャンなので清潔感がない。



そんな人間を誰が好きになるというのだろうか。




老若男女問わず誰からも愛され、羨望の目で見られ、人気者の姫。




そんな理想に囚われ、果てには妄想と現実の区別がつかなくなった。




今日も男は姫になる。
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