ゆがむ、恋。

【転生編】第17話 「もう一度、会おう」

春の日、凛は敬太をあの丘の上に呼び出した。

桜の花が舞う中、2人は目を合わせる。

「敬太くん、私……“全部”思い出したよ」
『俺も。前世のこと、死んだこと、君をストーカーしていたこと、君に監禁されたこと……全部……。』

沈黙。
だけどその間に、ふたりの手は重なっていた。

『「でも、それでも……」』
『また君を好きになったんだ』
「うん、私も……。」

ふたりは微笑み合った。

その瞬間、凛の胸元のペンダントが、やわらかく光を放った。

“カチャッ”

小さな音とともに、鍵が開く。

まるで、その光が見えない何かを解き放つように、2人の周囲に暖かな風が吹き抜けていく。

桜の花びらが、ひとひら。
2人の肩に落ちた。
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