めぐり逢い 憧れてのち 恋となる【書籍化】
「大地さん!」
花穂は満面の笑みで玄関のドアを開ける。
「わあ、かっこいい」
スリーピースのオーダーメイドのスーツに身を包み、水色のネクタイを締めた大地は髪もフォーマルにセットしていた。
思わず見とれていると、大地はクスッと笑って玄関のドアを閉める。
「花穂も。とびきり綺麗だ」
そう言って花穂の頬に手を添え、優しくキスをする。
チュッとついばむように大地の唇が離れると、花穂は目を潤ませて大地を見上げた。
クッと大地がこらえるような表情を浮かべる。
「花穂、今はだめだ」
「なにが?」
「そんなに可愛い顔するな。そそられる」
そう言うと再び大地は花穂の唇を奪った。
さっきよりも、もっと深く、もっと熱く。
「んっ、だめ」
花穂は大地の胸を両手で押し返した。
「パーティーに遅れちゃうから。ね?」
「仕方ない、我慢するか。花穂、鏡見て来い。色っぽすぎる」
は?と眉根を寄せてから、廊下の姿見を覗き込み、花穂は自分の姿に驚く。
リップはキスで拭われ、頬はピンクに色づき、潤んだ目はトロンととろけきっていた。
(やだ! 恥ずかしい。私ってこんな顔してたんだ)
別の意味でまた頬を紅潮させながら、バッグからリップを取り出して綺麗に塗り直す。
すると背後から大地が声をかけてきた。
「花穂、そのままじっとしてて」
「え?」
なんだろうと思いながら鏡の中の大地を見つめていると、大地は後ろから両手を回し、花穂の首にネックレスを着けた。
「えっ、大地さん、これって?」
胸元に輝くひと粒ダイヤのネックレス。
その輝きはまばゆく、美しい。
「銀座のジュエリーショップの店長イチオシ。花穂に似合うだろうって」
「そうなの。なんて綺麗……」
存在感のある大粒のダイヤモンドは、きっと品質も最高級。
セッティングやチェーンの種類も、こだわって選び抜かれている気がした。
「大地さん、まさかこれを、私に?」
「もちろん。花穂、アクセサリー持ってないだろう? 俺が最初にプレゼントしたかった」
「そんな、こんなに高価なものを?」
「野暮な話はするな。俺の花穂への愛を形にしたらこうなった」
その言い方に花穂は笑いが込み上げてきた。
「大地さんの愛って、こんなに綺麗なのね」
「そりゃあもう、キラッキラ」
「ふふ、嬉しい! ありがとう、大地さん」
花穂は腕を伸ばしてギュッと大地に抱きつく。
「……花穂、これ以上はだめだ。夜まで我慢な。続きは」
「Webで?」
「ベッドで!」
ふふっと笑い、花穂は大地と腕を組んで玄関を出た。
花穂は満面の笑みで玄関のドアを開ける。
「わあ、かっこいい」
スリーピースのオーダーメイドのスーツに身を包み、水色のネクタイを締めた大地は髪もフォーマルにセットしていた。
思わず見とれていると、大地はクスッと笑って玄関のドアを閉める。
「花穂も。とびきり綺麗だ」
そう言って花穂の頬に手を添え、優しくキスをする。
チュッとついばむように大地の唇が離れると、花穂は目を潤ませて大地を見上げた。
クッと大地がこらえるような表情を浮かべる。
「花穂、今はだめだ」
「なにが?」
「そんなに可愛い顔するな。そそられる」
そう言うと再び大地は花穂の唇を奪った。
さっきよりも、もっと深く、もっと熱く。
「んっ、だめ」
花穂は大地の胸を両手で押し返した。
「パーティーに遅れちゃうから。ね?」
「仕方ない、我慢するか。花穂、鏡見て来い。色っぽすぎる」
は?と眉根を寄せてから、廊下の姿見を覗き込み、花穂は自分の姿に驚く。
リップはキスで拭われ、頬はピンクに色づき、潤んだ目はトロンととろけきっていた。
(やだ! 恥ずかしい。私ってこんな顔してたんだ)
別の意味でまた頬を紅潮させながら、バッグからリップを取り出して綺麗に塗り直す。
すると背後から大地が声をかけてきた。
「花穂、そのままじっとしてて」
「え?」
なんだろうと思いながら鏡の中の大地を見つめていると、大地は後ろから両手を回し、花穂の首にネックレスを着けた。
「えっ、大地さん、これって?」
胸元に輝くひと粒ダイヤのネックレス。
その輝きはまばゆく、美しい。
「銀座のジュエリーショップの店長イチオシ。花穂に似合うだろうって」
「そうなの。なんて綺麗……」
存在感のある大粒のダイヤモンドは、きっと品質も最高級。
セッティングやチェーンの種類も、こだわって選び抜かれている気がした。
「大地さん、まさかこれを、私に?」
「もちろん。花穂、アクセサリー持ってないだろう? 俺が最初にプレゼントしたかった」
「そんな、こんなに高価なものを?」
「野暮な話はするな。俺の花穂への愛を形にしたらこうなった」
その言い方に花穂は笑いが込み上げてきた。
「大地さんの愛って、こんなに綺麗なのね」
「そりゃあもう、キラッキラ」
「ふふ、嬉しい! ありがとう、大地さん」
花穂は腕を伸ばしてギュッと大地に抱きつく。
「……花穂、これ以上はだめだ。夜まで我慢な。続きは」
「Webで?」
「ベッドで!」
ふふっと笑い、花穂は大地と腕を組んで玄関を出た。