めぐり逢い 憧れてのち 恋となる【書籍化】
「素敵なところですね」
「ああ。さすがは織江と笹本が選んだだけある。センスがいいな」
パーティー会場は、貸し切りのゲストハウスだった。
外にはガーデンやプールもあり、天気の良い今日はテラスへの扉が大きく解放されている。
二人のこだわりが感じられる受付のウェルカムボードや、テーブルの装花とネイビーブルーのクロス。
どの場面も写真に収めたくなるほど絵になった。
席札の置かれた席に着こうとした時、やあやあと陽気な声で片手を挙げながら大森が現れる。
「大地、花穂ちゃん、ごきげんよう」
「誰だよ、お前」
「なんてことを! みんなのアイドル、ヒロくんですよー」
「近寄るな、バカが移る」
けんもほろろな大地の腕を引き、花穂が小声で焦ったように言う。
「だ、大地さん、見て」
「ん、なんだ?」
「大森さんのお隣に……」
大森と腕を組んだ20歳そこそこの女の子が、大森の背中に半分隠れるようにしながら、はにかんだ笑みでうつむいていた。
「紹介するよ。妻のあゆ」
「はっ!?」
大地と花穂は同時に声をうわずらせた。
「ちなみにあゆのお腹の中にはベビーがいる」
「えっ!?」
ペタンコのバレエシューズを履き、ふんわりとしたシルエットのワンピースを着たあゆが、ペコリと頭を下げる。
「初めまして、チェレスタで受付をしている大森 あゆと申します」
「大森って! あ、こちらこそ。初めまして、クリエイティブの青山です」
「もちろん存じ上げてます。プロデューサーの浅倉さんとデザイナーの青山さんのことは、いつもカウンターから拝見していました。ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」
アイドルのように可愛らしい顔立ちのあゆに丁寧に挨拶され、しばしポカンとしてしまう。
大地が念を押すようにあゆに尋ねた。
「あの、ほんとに大森と結婚したの?」
「はい」
「大丈夫なの? こいつで」
「もちろんです。とても優しくてかっこいいですから」
「かっこいい!?」
真顔で驚く大地に、大森が「おい!」とツッコむ。
「人の好みはそれぞれだよー? 大地くん。あゆから見たら、誰よりも俺がかっこいいんだって」
「え、視力はいくつ?」
「おい! いるんだよ、まれに美的センスが人と違う子が」
言い合う二人の横で、花穂はそっとあゆに話しかけた。
「体調は大丈夫?」
「はい。つわりも軽いし、ヒロくんがいつも気遣ってくれるので」
「そう。くれぐれも無理せず、お大事にね」
「ありがとうございます。仕事もギリギリまで続けるつもりですので、職場でもよろしくお願いします」
「こちらこそ。いつでも声かけてね」
「はい!」
可愛らしい笑顔に、花穂もメロメロになる。
「いいなー、大森さん。こんな可愛い子を捕まえるなんて、うらやましい」
「ふふっ、私も彼に捕まえてもらって幸せです」
「ひゃー、可愛すぎる!」
両手を頬に当てて悶絶していると、パーティーの開始時間になった。
4人は丸テーブルの席に着き、入場口に注目する。
「ああ。さすがは織江と笹本が選んだだけある。センスがいいな」
パーティー会場は、貸し切りのゲストハウスだった。
外にはガーデンやプールもあり、天気の良い今日はテラスへの扉が大きく解放されている。
二人のこだわりが感じられる受付のウェルカムボードや、テーブルの装花とネイビーブルーのクロス。
どの場面も写真に収めたくなるほど絵になった。
席札の置かれた席に着こうとした時、やあやあと陽気な声で片手を挙げながら大森が現れる。
「大地、花穂ちゃん、ごきげんよう」
「誰だよ、お前」
「なんてことを! みんなのアイドル、ヒロくんですよー」
「近寄るな、バカが移る」
けんもほろろな大地の腕を引き、花穂が小声で焦ったように言う。
「だ、大地さん、見て」
「ん、なんだ?」
「大森さんのお隣に……」
大森と腕を組んだ20歳そこそこの女の子が、大森の背中に半分隠れるようにしながら、はにかんだ笑みでうつむいていた。
「紹介するよ。妻のあゆ」
「はっ!?」
大地と花穂は同時に声をうわずらせた。
「ちなみにあゆのお腹の中にはベビーがいる」
「えっ!?」
ペタンコのバレエシューズを履き、ふんわりとしたシルエットのワンピースを着たあゆが、ペコリと頭を下げる。
「初めまして、チェレスタで受付をしている大森 あゆと申します」
「大森って! あ、こちらこそ。初めまして、クリエイティブの青山です」
「もちろん存じ上げてます。プロデューサーの浅倉さんとデザイナーの青山さんのことは、いつもカウンターから拝見していました。ふつつか者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」
アイドルのように可愛らしい顔立ちのあゆに丁寧に挨拶され、しばしポカンとしてしまう。
大地が念を押すようにあゆに尋ねた。
「あの、ほんとに大森と結婚したの?」
「はい」
「大丈夫なの? こいつで」
「もちろんです。とても優しくてかっこいいですから」
「かっこいい!?」
真顔で驚く大地に、大森が「おい!」とツッコむ。
「人の好みはそれぞれだよー? 大地くん。あゆから見たら、誰よりも俺がかっこいいんだって」
「え、視力はいくつ?」
「おい! いるんだよ、まれに美的センスが人と違う子が」
言い合う二人の横で、花穂はそっとあゆに話しかけた。
「体調は大丈夫?」
「はい。つわりも軽いし、ヒロくんがいつも気遣ってくれるので」
「そう。くれぐれも無理せず、お大事にね」
「ありがとうございます。仕事もギリギリまで続けるつもりですので、職場でもよろしくお願いします」
「こちらこそ。いつでも声かけてね」
「はい!」
可愛らしい笑顔に、花穂もメロメロになる。
「いいなー、大森さん。こんな可愛い子を捕まえるなんて、うらやましい」
「ふふっ、私も彼に捕まえてもらって幸せです」
「ひゃー、可愛すぎる!」
両手を頬に当てて悶絶していると、パーティーの開始時間になった。
4人は丸テーブルの席に着き、入場口に注目する。