めぐり逢い 憧れてのち 恋となる【書籍化】
食事のあとのケーキカットは、ガーデンで行うことになった。
プールサイドにはバーがあり、思い思いにお酒を手にしたゲストに見守られ、織江は笹本と手を重ねてケーキにナイフを入れる。
お決まりのファーストバイトでは、大きな口でパクッと一気に頬張ってみせた。
そしてブーケトス。
「あゆちゃん、行かないの?」
織江の後ろに集まった女の子たちを見ながら、花穂が声をかける。
「はい。私はもう結婚してるし、お腹の赤ちゃんが押されたらいけないので」
「しっかりしてるのね、あゆちゃん」
「いえ。花穂さんこそ行って来てください」
「えー、もうあんなにたくさん集まってるから、今から行ってもね」
女の子たちのはしゃいだ様子を遠目に眺めていると、「行きまーす!」と言って織江が大きく後ろにブーケを投げた。
「うわ、高い」
予想よりも遥かに高く投げ上げられたブーケは、綺麗な放物線を描いて落ちてくる。
「……え?」
気づくと花穂の手にブーケがポスッと収まっていた。
「きゃー! やった、花穂さん。おめでとうございます」
「え? あ、ありがとう。これ、私がもらってもいいのかな?」
「もちろんですよ。次は花穂さんが結婚する番ですね」
「それは、どうでしょう」
顔を上げると、織江が「ナイスキャッチ!」と親指を立ててみせた。
プールサイドにはバーがあり、思い思いにお酒を手にしたゲストに見守られ、織江は笹本と手を重ねてケーキにナイフを入れる。
お決まりのファーストバイトでは、大きな口でパクッと一気に頬張ってみせた。
そしてブーケトス。
「あゆちゃん、行かないの?」
織江の後ろに集まった女の子たちを見ながら、花穂が声をかける。
「はい。私はもう結婚してるし、お腹の赤ちゃんが押されたらいけないので」
「しっかりしてるのね、あゆちゃん」
「いえ。花穂さんこそ行って来てください」
「えー、もうあんなにたくさん集まってるから、今から行ってもね」
女の子たちのはしゃいだ様子を遠目に眺めていると、「行きまーす!」と言って織江が大きく後ろにブーケを投げた。
「うわ、高い」
予想よりも遥かに高く投げ上げられたブーケは、綺麗な放物線を描いて落ちてくる。
「……え?」
気づくと花穂の手にブーケがポスッと収まっていた。
「きゃー! やった、花穂さん。おめでとうございます」
「え? あ、ありがとう。これ、私がもらってもいいのかな?」
「もちろんですよ。次は花穂さんが結婚する番ですね」
「それは、どうでしょう」
顔を上げると、織江が「ナイスキャッチ!」と親指を立ててみせた。