気まぐれヒーロー
最近ちょっと暴走気味だ。コイツらと関わるようになって、想像力が豊かになった気がする。
少し抑えないと。
本当に頭おかしくなったと思われて、そーいう目で見られるのは癪だ。
「まぁとりあえず、落ち着いて」
「お前がな」
一旦冷静になって、ハイジへと視線を投げ掛ける。
「あんた、彼女いるんでしょ?」
「いねえって」
「だってタイガ言ってたじゃん、リナちゃんって彼女がいるって」
「別れた」
「へ?昨日お泊りしたんじゃないの?」
「だから、昨日別れたんだよ」
うんざりとした目のハイジは、“これ以上聞くんじゃねえ”と言いたそうだった。
昨日彼女と別れたばっかで、もう私とデートしようだなんて気になれるんだろうか。
そりゃあ相手は私だし、ハイジにとっては“女”じゃないだろうけど。
少しばかり“軽い”んじゃない、なんて思ってしまう。
別にいいけど。
ハイジがそんな男だって、女の子との付き合い方はハイジの自由だし。
私には関係ないことだ。
フラれたのかフったのか、それにもよるかもしれない。
だとしても、付き合うっていうのはお互い好きって気持ちがあるから、彼氏彼女の関係になるんじゃないの?
私は男の子と付き合ったことないから、当事者の気持ちにはなれないけれど。
それでも昨日別れたばっかだっていうんなら、もうちょっと落ち込んだりしてるのかと思いきや、ハイジはいつもと何ら変わりはなかった。
そういうものなの?平然としてられるものなの?
恋愛って、意外とあっさりしたものなのかな。
私が幻想を抱いているだけ、なのかな。
深く悩みそうになった時──
誰かのスマホの着信音が、大教室に鳴り渡った。