同期と私の、あと一歩の恋
「いや、なんでもないよ」
首を横に振ってそう答えた時、目が合った女性がビールの入ったグラスを手にこちらのテーブルにやって来た。
吉瀬さんの隣の空席を指差して「ここ、座ってもいいですか?」と尋ねる。
「え、いいけど」
吉瀬さんが少し戸惑いながら答える。
「お邪魔します」
そう言って座り、チラリと私を見て口を開いた。
「営業事務の森藤まどかです。広瀬さんですよね?」
「そうだけど……」
突然の自己紹介に私は戸惑いながら答える。
以前、本田くんに告白していた彼女がどうして私に声をかけてきたんだろう。
森藤まどかと名乗った女性の頬はほんのりと赤みを帯びていている。
彼女の印象的なくりっとした大きな瞳が、なにかを探るように私を見つめていた。
「広瀬さんと本田さんて仲がいいですよね」
なぜか本田くんの話をしてきて面食らう。
私は平静を装いながら答えた。
「同期だから」
私たちの関係は同期で、それ以上でもそれ以下でもない。
「それだけですか?」
「それだけって、どういうこと?」
森藤さんの意図が分からずに聞き返した。
「私、本田さんに告白したけど、好きな人がいるって言われてフラれちゃいました。でも、後悔はしてません」
あっけらかんと自分が振られたことを話し、持っていたビールに口をつける。
「広瀬さん、ホントに本田さんとのことを同期だからで片づけるんですか?
私にはそうは見えませんけど」
森藤さんは頬を膨らませた。
首を横に振ってそう答えた時、目が合った女性がビールの入ったグラスを手にこちらのテーブルにやって来た。
吉瀬さんの隣の空席を指差して「ここ、座ってもいいですか?」と尋ねる。
「え、いいけど」
吉瀬さんが少し戸惑いながら答える。
「お邪魔します」
そう言って座り、チラリと私を見て口を開いた。
「営業事務の森藤まどかです。広瀬さんですよね?」
「そうだけど……」
突然の自己紹介に私は戸惑いながら答える。
以前、本田くんに告白していた彼女がどうして私に声をかけてきたんだろう。
森藤まどかと名乗った女性の頬はほんのりと赤みを帯びていている。
彼女の印象的なくりっとした大きな瞳が、なにかを探るように私を見つめていた。
「広瀬さんと本田さんて仲がいいですよね」
なぜか本田くんの話をしてきて面食らう。
私は平静を装いながら答えた。
「同期だから」
私たちの関係は同期で、それ以上でもそれ以下でもない。
「それだけですか?」
「それだけって、どういうこと?」
森藤さんの意図が分からずに聞き返した。
「私、本田さんに告白したけど、好きな人がいるって言われてフラれちゃいました。でも、後悔はしてません」
あっけらかんと自分が振られたことを話し、持っていたビールに口をつける。
「広瀬さん、ホントに本田さんとのことを同期だからで片づけるんですか?
私にはそうは見えませんけど」
森藤さんは頬を膨らませた。