同期と私の、あと一歩の恋
会社に着き、パソコンの電源を入れたところで背後から声がかかった。

「広瀬さん、ちょっといい?」

芹沢部長に呼ばれ、私は席を立つ。
きっと、例の企画のことだろう。
私はドキドキしながら部長の元に向かった。

「広瀬さん、例のキーホルダーの企画通ったよ」

部長が企画書をめくると、承認欄にはしっかりと印鑑が押されていて目を見開いた。

「……っ、本当ですか?」

思わず大きな声を出してしまい、慌てて口元を手で押さえた。

「ああ。昨日、正式に決まった」

安堵の息を吐きながら、プレゼンの日のことを思い返す。
緊張しながらも、スクィーズキーホルダーへの熱意を自分なりに伝えたことが報われた気がした。

「アンケート分析もハッシュタグの件も他部署から好評だったよ。あそこで畳みかけるように、レアアイテムを提案したのもよかった」
「ありがとうございます!」

喜びがこみ上げ、笑顔で答える。

「近々、プロジェクトチームを結成するから引き続き頼むぞ」
「はい」

力強く頷き、自席に戻ると心の中でガッツポーズする。

――そうだ、本田くんに報告しなきゃ。
真っ先に浮かんだのは彼のことだった。

でも、タイミング悪く本田くんは席を外している。
そういえば、彼は朝、休憩スペースでコーヒーを飲むのが日課だ。
きっと今朝もいるだろう。
私は早く伝えたくて、弾むような足取りで休憩スペースに向かった。

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