同期と私の、あと一歩の恋
「まあ、それは今日の仕事終わりに実行するってことで覚悟しといて」

一体、なんの覚悟よ。

「そうそう、これだけは言っておくけど。俺、実は独占欲強くて嫉妬深いから」
「えっ?」
「この前、休憩スペースで風間さんに飲みに誘われたって言ってたけど、あれはみんなでって意味じゃないぞ」

突然、そんなことを言われて首を傾げる。
そういえば、そんなこともあったなと思い出す。

「間違いなく、風間さんは広瀬と二人で行こうとしてたんだからな」
「そんなことはないでしょ」
「ある。あの時、風間さん微妙な反応してただろ」

確かに言われてみればそうだったかも?
あまり覚えていないけど、本田んくんがそんな細かい部分まで見ているとは思わなかった。

「ねぇ、もしかしてずっと盗み聞きしてたってこと?」
「人聞きの悪いことを言うなよ。堂々と観葉植物の陰で聞いてたわ」

今、『陰で』って言ったから全然堂々とじゃないでしょと心の中で突っ込む。
思わず肩の力が抜けて、笑いそうになる。

「そういうことで、今後風間さんの誘いには一切乗らないように。分かった?」

幼い子に言い聞かせるような口調で、顔を覗き込んでくる。
軽い口調とは裏腹に真剣な眼差しを向けてきて、私は小さく頷いた。
それを見て、満足そうに本田くんは笑う。

「行くか」

そう言うと、コーヒーの入ったカップを手に休憩スペースを出ていった。

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