転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「良かった。熱は引いていますね」
「熱?」
「はい。そのご様子だと、私が誰なのかもご存知ないようですね」
何がなんだか私は分からないのに、茶色い髪の女性は微笑んだ。けれどその黄緑色の瞳には悲しみが見える。
私を安心させようと、無理をして笑顔を向けてくれているのだ。それだけで、『姫様』に対する彼女の想いが伝わり、返事に困ってしまった。
「私はミサと言います。アルフェリオン王国の第二王女、リュシアナ・アルフェリオン様の侍女です」
「第二王女? さっき姫様って言っていたから……つまり、私のこと?」
「その通りでございます、リュシアナ様」
「……嘘」
気がつくと、本音が口から飛び出ていた。咄嗟に口元を抑えても後の祭り。私は恐る恐るミサを見上げた。
「熱?」
「はい。そのご様子だと、私が誰なのかもご存知ないようですね」
何がなんだか私は分からないのに、茶色い髪の女性は微笑んだ。けれどその黄緑色の瞳には悲しみが見える。
私を安心させようと、無理をして笑顔を向けてくれているのだ。それだけで、『姫様』に対する彼女の想いが伝わり、返事に困ってしまった。
「私はミサと言います。アルフェリオン王国の第二王女、リュシアナ・アルフェリオン様の侍女です」
「第二王女? さっき姫様って言っていたから……つまり、私のこと?」
「その通りでございます、リュシアナ様」
「……嘘」
気がつくと、本音が口から飛び出ていた。咄嗟に口元を抑えても後の祭り。私は恐る恐るミサを見上げた。