転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「現在のカードは『THE() HIGH(ハイ) PRIESTESS(プリーステス)』(女教皇)ね。このカードは勉強熱心とか精神性を表しているわ。私の護衛に真摯に向き合っているカイルに、ピッタリのカードね」

 カードを持ち上げて、カイルに見せる。すると、目を逸らされてしまった。つまり、この解釈ではない、ということだ。

「……冷静さと落ち着いた判断力ができる。でも違うというのなら……それが憧れで、近づこうと努力をしているのかしら。女教皇は、高潔を意味しているから」
「確かに……憧れ、ですね。それに近づこうとしているものの、まだまだ精進が足りないと思っています」
「今でも十分素敵なのに。カイルの理想はとても高いのね」
「……はい」

 なぜか意味ありげな視線を受け、今度は私が避けるように視線を次のカードへと向けた。

「最後は未来のカード。何が出てくるのかしら。って、これは……!」
「どうかしたのですか?」
「えっ、あっ、これは……別に悪いカードではないの。『THE() LOVERS(ラバーズ)』(恋人)」

 どうしてこのカードが未来に出るの!? ストレートに読むと、恋人ができますよ、という暗示かもしれない。だけど、未来に表示されたから、別の可能性も出てくる。
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