転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「まず、左にあるのが過去。真ん中のカードが現在。そして最後のカードが未来を示しているの」
「……はい」

 カイルの返事がいつもより硬い。裏返しにしているから、私も何が出てくるのかは分からない。だからこそ、心を落ち着かせながら、再びカードに手を伸ばした。

「過去のカードは『WHEEL(ホイール) OF(オブ) FORTUNE(フォーチュン)』(運命の輪)ね。これは宿命のカードだけど、過去の位置に出てきたから、転換にも捉えられるわね」

 私はそっとカードを持ち上げる。

「運命的な出来事、展開があったとか。でもそれは、カイルにとって良い変化をもたらしてくれたのね。それがなんなのかは分からないけれど、転換……だから、私の護衛騎士になったことなのかしら?」

 それを宿命だとは捉えるのは、些か自意識過剰な気がする。そっとカイルの方を窺うと、満更でもないような表情に安堵した。

 ……いや、これは占いが当たっていた手応えによ!

 私は気持ちを落ち着かせて、真ん中のカードを捲った。
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