占い師は、あの人の幸せを願う彼に、恋をした
夏谷さんの片思いの相手
あれから、一週間。
私は変わらず、事務所で書類を捌き、電話に出て、決まりきった日々を過ごしていた。
占いは、あくまで副業のようなもの。
それでも、不思議と、あの“名前”だけは、ふとした拍子に頭に浮かぶことがあった。
夏谷春人さん。
真っすぐな目をしていた。
あのとき、何も言わなかったけれど、
“あのカード”に私の名前が映ったことが、どうにも心に残っていたのだ。
そんなことを考えながら、昼休み、私は少し歩いてみることにした。
いつもと違う道を選んで、小さな通りを抜ける。
暑すぎず、涼しすぎない、心地いい風が吹いている。
「あ……」
ふと、視界の先に、こぢんまりとしたガラス張りのカフェが現れた。
落ち着いたウッド調の外装。
入り口の黒板には、チョークで手書きされた「本日のランチセット」──
なんとなく。ほんとうに、なんとなく。
足が、その扉の方へ向かっていた。
店内は思ったよりも広くて、どこかあたたかい空気が漂っていた。
私はカウンターには座らず、窓側のテーブル席に腰を下ろす。
やがて、やわらかな足音とともに、店員がメニューを持って現れた。
その手を受け取った瞬間、私はなぜか、視線を上げてしまっていた。
彼女は、背筋の伸びた女性だった。
私は変わらず、事務所で書類を捌き、電話に出て、決まりきった日々を過ごしていた。
占いは、あくまで副業のようなもの。
それでも、不思議と、あの“名前”だけは、ふとした拍子に頭に浮かぶことがあった。
夏谷春人さん。
真っすぐな目をしていた。
あのとき、何も言わなかったけれど、
“あのカード”に私の名前が映ったことが、どうにも心に残っていたのだ。
そんなことを考えながら、昼休み、私は少し歩いてみることにした。
いつもと違う道を選んで、小さな通りを抜ける。
暑すぎず、涼しすぎない、心地いい風が吹いている。
「あ……」
ふと、視界の先に、こぢんまりとしたガラス張りのカフェが現れた。
落ち着いたウッド調の外装。
入り口の黒板には、チョークで手書きされた「本日のランチセット」──
なんとなく。ほんとうに、なんとなく。
足が、その扉の方へ向かっていた。
店内は思ったよりも広くて、どこかあたたかい空気が漂っていた。
私はカウンターには座らず、窓側のテーブル席に腰を下ろす。
やがて、やわらかな足音とともに、店員がメニューを持って現れた。
その手を受け取った瞬間、私はなぜか、視線を上げてしまっていた。
彼女は、背筋の伸びた女性だった。