愛を知った日
家に着いて玄関を開けるとパパと弟がクラッカーを持って立っていた。
「奏、退院おめでとう。」
「ねぇね。おめでとう。」
パンっと音が鳴って紙テープが飛び出た。
「ありがとう。ただいま。」
弟の頭を撫でながら言う。
「おかえりなさい。」
「さぁ。今日はお祝いだぞー。行こう。」
そうパパに言われてテーブルを見るとそこには私の好きな料理がたくさん並んでいた。
「みんな揃うの久しぶりだからママ、気合い入れちゃった。」
「私の好きなものばっかり。ママ、ありがとう。」
「無事退院したお祝いだもの。さぁいただきましょう。」
「ねぇね。僕の隣に座って。」
「うん。」
「一応乾杯でもするか?」
「えぇ。そんなのいいよ。」
「なんで?したいじゃない。」
「ママもこう言ってるしするか。」
「では改めて奏、退院おめでとう。」
「おめでとー」
「ありがとう。」
「ねぇね。もう大丈夫なの?」
「今のところは大丈夫だよ。心配してくれてありがとう。」
「ううん。良かった。」
私と弟は年が離れている。
「本当に良かった…嬉しいよ。」
弟と話しているとパパがいきなり泣き出した。
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