愛を知った日

鳳蝶視点

夏休みに入り、俺は奏と充実した日々を過ごしていた。
ピクニックにプラネタリウム、夏といえばの海にも行った。
この夏、初めて奏とキスをした。その瞬間はあまり格好がつかなかったと思う。
プラネタリウムを見て体調が悪くなった奏を近かった俺のアパートで休ませ俺も一緒に寝てしまった。目が覚めたのはほっぺをツンツンされている感触があったからだ。ゆっくりと目を開けると寝起きの奏がいた。元々寝起きは甘えん坊になってしまうのもあってか奏が無性に可愛くて思わず抱きついてしまった。奏は驚きつつも受け入れてくれてしばらくそうやっていると自然とキスがしたいと口から出ていた。
俺は自分でも驚いて慌てて謝った。初めてのキスなのだからもっとロマンチックな方がいいだろうと思っていた。ところが奏はすぐに許してくれた。まさか奏からいいよと言われるとは思っていなかった俺は正直焦った。
俺自身、ちゃんとしたキスは初めてだ。
「初めてだから下手でも笑うなよ。」
と正直に言うと
「私も初めてだから笑わない。」
と言うので意を決してゆっくりと唇を近づけキスをした。あまりにも緊張していてすぐに離してしまったがそれでも柔らかい唇を感じて鼓動が早くなる。
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