愛を知った日
「お姉さんも遊んでくれるの?」
「うん!なにして遊ぶ?」
「じゃああれ!」
私が固まっている間にも碧は走り出していた。
「あんまり遠くに行かないでよ。」
かろうじて出た言葉はそれだけ。なんとも情け無いような気がして近くのベンチに座った。
すると鳳蝶くんが隣に座ってきて
「ごめんな。どうしてもって聞かなくて。」
「ううん。動ける人いた方が碧も楽しいと思うから。こちらこそありがとね。突然だったのに来てくれて。」
これは本心だった。私は普段、あまり走ったりできない。だからいつもは負担の少ない遊びしかしないが碧も本当は思いっきり体を動かしたいだろう。そう思うと申し訳なく感じていたが今は走り回ってキャーキャー楽しそうにしているので仲馬さんが来てくれて良かったと少しだけ思った。同時になんで鳳蝶くんは何も言わずにのこのこと連れてきたのだろうとも思った。強く言えば断れたと思うし浮気の心配はしてないと言っても女の子だ。付き合っているのだから異性との距離は考えて欲しいと思う。そんなモヤモヤが心を支配するが、言えなかった。
「いや、前から約束してたしちょうど良かったよ。それにしても珍しいな。奏がお迎えなんて。」
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