愛を知った日
私が目を開けると最初に見えたのは白い天井。
(あっ私、倒れたんだ…)
次に見えたのは明美ちゃんと明美くんの泣きそうな顔。
「奏?目が覚めたのか?分かるか?」
「奏、大丈夫?」
「んっ…?鳳蝶くん…?明美ちゃん…?」
ちゃんと返事をしたいのに上手く声が出す、かろうじて言えたのはそれだけだった。
酸素マスクをしているのに息が苦しい。
その後目が覚めたことを知った武先生がやってきた。
「奏ちゃん、調子はどうかな?どこか苦しいところはない?」
「息が苦しいです…」
「ちょっと酸素濃度上げようか。そしたら楽になると思うよ」
先生が看護師さんに指示をする。
「他には大丈夫かな?」
私は小さく頷く。
「良かった。今回は重かったみたいで4日も眠っていたから。引き続き絶対安静でね」
「先生ありがとうございました」
それまで見守っていたパパがお礼を言う。
「いえいえ。私はできることをしたまでです。奏ちゃんが頑張ったんですよ」
「先生!ねぇねは大丈夫なの?」
「うん。大丈夫だよ。まだ安静にしてなきゃいけないけど碧くんの思いが通じたんだね」
先生が碧の頭を撫でる。碧は半泣きになりながら良かったと言い 
「よく頑張ったね」
と先生に慰められていた。

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