愛を知った日
「分かったけど…明美ちゃんに断られたら私だけでいいから。」
「もちろんだ。」
「ねぇね、そのブンカサイ?僕も行きたい!」
「えっ!?」
「ねぇねの好きな人、見てみたい。明美ちゃんにも会いたい。」
「だめだよ。その友達にも聞いてないし。」
「聞いてみればいいんじゃない?」
「うっ…そうだけど…」
「2人とも張り切りすぎよ。それは奏が決めることよ。」
ママがそう言ってくれたけど私は弟のウルウルした目を見ると断ることができなかった。
「分かった。聞いてみるけどダメだったら諦めてね。」
「うん!ありがとう。」
「碧だけだと心配だから僕も行くよ。」
「あなたが行きたいだけでしょ。」
「だって…いいだろう?」
「分かったよ…全部聞いてみるね。」
「やったー!」
「なるべく邪魔しないようにするから。」
「その日は私、仕事だから行けないけどお行儀よくするのよ。」
「うん!ねぇねから絶対離れない。」
「いいぞ。碧!」
「パパ!」
「うふふ。」
「楽しみだなぁ。」
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