愛を知った日
やがて夕食の時間になり、文化祭に行くことを伝えた。
「あっそうだ。来週、友達の文化祭に行ってくる。」
「文化祭?その友達っていうのは女の子?」
「ううん。男の子。」
「男!?」
「前に来てたイケメンくん?」
「前に来てたイケメンくん!?って誰?」
「さっきからうるさいわね。連絡したの?」
「うん。」
「どんな男なのか見極める必要がある。送っていくよ。」
「え〜大丈夫なのに。」
「奏も高校生なんだから恋愛くらいするわよ。」
「まだ早いよ。」
「ねぇね、好きな人いるの?僕もいるよ。」
「えっ。誰?」
「茜ちゃん!」
「いや、誰?碧はまだまだ全然早いよ!だめ!」
「えぇ…パパがイジワルする…」
「なっ…イジワルじゃない!」
「はいはい。パパもそんなに本気にならないで。」
「だって…大事な子ども達だよ!」
「そうだけど。まだ気が早いしそれに子ども達は私達のものじゃないわ。」
「大丈夫よ。私達の子どもなのよ?絶対いい人を選ぶに決まってるわ。」
「ママ…」
「だけどどんなやつか見極める必要があるからやっぱり当日は送って行くよ。いいね?」
「分かったよ…でも当日は明美ちゃんも行くんだよ。」
「じゃあ明美ちゃんも送って行くよ。」
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