愛を知った日
「眠いなら寝ちゃいな。僕は碧にごはん作るから1回帰るけどまたママと一緒に来るから」
「分かった…ありがとう」
「もう帰るの?まだねぇねと離れたくない!」
「また明日も来れるから」
「本当?」
「うん」
「ねぇね、絶対また会いに来るから」
私は弱々しい力で碧の頭を撫でた。
パパと碧が病室を出た後、私は眠りについた。
次に目が覚めたのはドアが開く音がした時だった。
「あっ奏、本当に良かった…」
姿を現したのはママで私を見るなり涙を流しながら抱きついてきた。
「ママ…」
私はゆっくりとママの背中に腕を回す。
「どこか苦しいところはない?痛いところは?」
「ママ、奏が苦しそうだよ」
「えっあっごめんなさい」
ママは私を抱きしめる腕をゆるめてくれた。両親はベッドのそばの椅子に座り
「本当はすぐに来たかったんだけど仕事があって…」
「謝らないで…」
「本当に良かった。すごく心配したのよ」
「ごめんね…」
「こうして起きている奏の顔を見れるだけで嬉しいわ。ここ数日寝顔ばかり見ていたから」
「碧は…?」
「ちょっと早いけど寝かしつけて来たよ。寝ないって駄々こねて大変だったけどなんとか」
その話に私は目を細める。聞いただけでも状況が想像できた。
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